「いつかはクラウン」は若者に受けいれられていますか?

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日本自動車販売協会連合会が発表している「乗用車ブランド通称名別順位」によると、クラウンの販売台数は、6月4216台(20位)、7月7225台(10位)、8月5674台(11位)、9月6063台(14位)で好調な滑り出しだ。

 実は、6月の新車発表前の旧型クラウンはモデル末期にもかかわらず、5月に1000台を割り込んだが、それ以前は月販1200~2000台を堅持していた。

 乗用車の販売台数上位は、ノート(日産)、アクア(トヨタ)、プリウス(同)がトップ3を占め、ヴィッツトヨタ)やフィット(ホンダ)といったコンパクトカー、セレナ(日産)、フリード(ホンダ)、ルーミー(トヨタ)といったミニバンが10位以内に名前を連ねる。C-HR(トヨタ)、フォレスター(スバル)、エクストレイル(日産)なども20位以内に入り、スポーツ用多目的車(SUV)も人気だ。

 こうして販売実績を見てみると、国産車においてはセダン離れが歴然としている。逆に言えば、SUVや5ナンバーのコンパクトカーが人気を集める新車市場にあって、3ナンバーセダンであるクラウンの強さが際立っている

新型クラウンは、日産GT―RやホンダNSXなどのスポーツカーが新車開発のテストコースとする過酷なドイツ・ニュルブルクリンクで性能試験を行い、足腰を仕上げた。それによって、操縦安定性を格段に向上させながら、ドイツ車のようなゴツイ乗り心地ではなく、しなやかで柔らかいフィーリングも残している。

 ドイツのアウトバーンに象徴される速度無制限区間を駆け抜けるような超高速走行性能は、日本国内では不要なものだ。むしろ、快適性を重視した走りを残すことで国内専用車種としての独自性を感じさせた。

 一方で海外の販売に注力するレクサス各車は、ドイツ車と似たような足回りであり、乗り味の違いはあまり感じられない。

 グローバル市場を見た新車開発が多い中で、クラウンの国内専用車という位置づけが、個性であり価値でもあると言える。

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